【共産車探訪 vol.30】SMZ S-1L


Здравствуйте,Товарищ!


こんにちは、ちゅうさまです。

次回発行予定の同人誌に使う写真を撮るべく、再び沼津に行ってきました。劇中に西伊豆スカイラインの展望台がでてきたもんで、我々も深夜に行ったんですが………。

計画性の無さが祟り、真城山の頂上付近でガス欠ランプが点灯。明らかなトルクの低下に怯えながら、巨大な水たまりに踏み込んだり、鹿を轢きそうになったりしつつ展望台に到着してみると、霧が出ていて何も見えませんでした



さて、共産車探訪も30回目となりました。第10回でマルシャの特集をやった頃が懐かしいですね。今も昔もネタ切れに怯えながらの執筆ですが、今のところ第60回までの計画は立っております。目指すは第100回!さすがにソ連車だけでは厳しいので、中国車や東独車、ロシア車なんかも特集していくことになると思いますが、これからもどうぞよろしくお願いします。


で、今回ご紹介するクルマは、”SMZ” というメーカーのバブルカー ”S-1L” です。


まずはSMZというメーカーについて簡単に見ておきましょう。

SMZは、キリル文字だと ”СМЗ” 、”Серпуховский Мотоциклетный Завод (セルプハフバイク工場)” の略称となります。

セルプハフはモスクワ中心部から南へ100kmほど離れたロシアの古都です。なぜかアメリカのリッチモンドと姉妹都市だったりします。そんなセルプハフに、SMZはオートバイ工場として1939年に創設されました。


1940年代まで、SMZはオートバイを中心に製造していました。ところが、1940年代から1950年代にかけて、バブルカーブームが世界中で起こったのです。イソ・イセッタやメッサーシュミット、フジキャビンなんかもこの時代の車ですね。

ソ連でも世界の流行に乗り遅れちゃいかん、ということで1952年にオートバイの技術を流用したバブルカーの生産がSMZでスタートしました。それが、今回ご紹介するS-1Lです。

おお…これはまた強烈な見た目なのが来ましたね…。


なんというか…こう…

業務用の大型掃除機っぽい。



3輪車でヘッドライトも1個だけ。そんなわけで「サイクロプス」という愛称が付けられていたそう。


ポポポポ……

構造は、スクーター用の単気筒123ccエンジンをリアに置いた、ラダーフレームです。

エンジンの最高出力はわずか4hpで、小さな丘すら登れなかったそうな。


原付のエンジンで275kgの車体を動かしているので当たり前っちゃ当たり前なんですが、そんなスペックでは当然の如く売れず、1956年までに約2000台しか生産されませんでした。


また、運転方式がスクーターと同じで、脚を使わず運転できることから、脚が使えない方向けの日常のアシとして政府から格安で支給されてもいました。S-1Lは「инвалидка (自動車椅子)」と呼ばれ、この呼称は後継車でも引き継がれることとなります。ZAZのザポロージェツと同じく、福祉車両的な立ち位置でもあったんですね。


S-1Lには、いくつかのバリエーションも用意されました。


「S-1L-O」…右手が使えない人向け。

「S-1L-OL」…左手が使えない人向け。

「S-2L」…2気筒エンジンを載せた試作車。製品化はならず。

「S-3L」…S-1Lのパワー不足に対処するため、346ccエンジンを搭載したモデル。1956年にされた。以後はS-1Lよりよく売れ、1958年までの2年間で17,053台が生産された。


日本ではイマイチ流行らなかったバブルカーですが、ソ連では障害者向け自動車として人気車種(?)となったのでした。

次回は、後継モデルである ”S-3A” をご紹介します。


2018/03/16 ちゅうさま

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