【共産車探訪 Vol.8】GAZ チャイカ①

こんにちは、ちゅうさまです。


前回「次はポビェーダでもやろうかな」などと申しておりましたが、確認したところポビェーダの資料が非常に少なかったため、写真が集まるまで延期です。


というわけで、今回は「GAZチャイカ (ГАЗ Чайка)」の特集ですよ。

1959-81 GAZ Chaika [1st M13] (サンクトペテルブルクにて)


前回までのヴォルガと同じく、今回もGAZの車です。

でも、ヴォルガは「庶民でも頑張れば買える高級車」でしたが、チャイカは違います。一般庶民には購入が許されない超高級車、それがチャイカです。


写真をご覧いただければわかる通り、リムジンです。

全長は5.6m。ちょっと一般庶民が普段乗りで使うには大きすぎますね。

(とか言ったらアメ車乗り兄貴に怒られそう)


では、この車のオーナー層は?

共産主義国ですから、「富豪や貴族が個人的趣味で購入」なんてことはまずありえません。貴族は貴族でも”赤い貴族”、早い話が共産党の幹部連中ですね。

そのほかにも、ガガーリンなど国に相当程度の貢献をした人に対して、報酬としてチャイカが与えられることもありました。


オーナー層からしてチャイカが「特別なクルマ」であったことはお分かりいただけるでしょう。

1959-81 GAZ Chaika [1st M13] (サンクトペテルブルクにて)


「チャイカ (Чайка)」という車名は、ロシア語で「カモメ」という意味です。


エンブレムの形もよく見るとカモメ型ですね。

そういえば、ヴォルガ①でご紹介した初代ヴォルガも、カモメ型のエンブレムをリアにつけていました。ちょうど生産年もかぶりますし、なにか関係があるかもしれません。



エンジンは、チャイカのために新開発されたものが搭載されました。5.5LのV8エンジンです。ボロエンジンを積まれていたヴォルガとはえらい違いですね…

「KGBヴォルガ」に積まれていたのもチャイカのエンジンでした。


トランスミッションは、3速ATのみの設定でした。

チャイカのATはヴォルガと違ってちゃんと動いていたのか、それとも壊れてもお抱えの整備士がすぐに直していたのか……真相は闇の中です。

1961-62 GAZ Chaika Faeton [1st M13] (MIAS-2016にて)


共産主義リムジンといえば、パレード用フェートン!


政府高官向けリムジンには、必ずと言っていいほどパレード用オープンカーの設定もありました。チャイカも例外ではなく、1年という短い期間でしたが、「チャイカ・フェートン」が生産されました。コードは「M13-B」です。

(ちなみに、「M13-A」はLWB版のコードです)


なお、フェートンの綴りは本来「Phaethon」ですが、(以下略)。

(詳しくは、ヴォルガ③のギャラリーを見てね!)

1961-62 GAZ Chaika Faeton [1st M13] (MIAS-2016にて)


しかし、「パレード用」となると、白のボディは不釣り合いな気もします。

もしかすると、結婚式場向けにリペイントされた個体かも知れません。



ところでみなさん、「中国車、ロシア車、韓国車…」と聞くと、こう思われますよね。

「で、なんのパクリなの?」


共産圏の工業製品はなにかとパクリが多いんですが、チャイカも例外ではありませんでした。(あ、韓国は共産圏じゃないね)

【参考】1956 Mercury Montclair Coupé [1st] (仙台にて)


上の写真は1956年式のマーキュリーなんですが、チャイカと目元がソックリですね。

そのほかにも、テールランプはポンティアックから、リアバンパーからマフラーを出す構造はパッカードから、それぞれパクっていると言われています。


流行していたスタイルとはいえ、ソ連がアメリカにコンプレックスを抱いていた様が伺えます。



細かいところを見ていくと色々ザンネンなチャイカちゃんですが、全体としてみると、威圧感タップリの立派なリムジンであると思います。


最初の写真の個体はナンバーもついて元気に走っていますが、実はチャイカは自走可能な個体が非常に多いんです。

もちろんこの年式の車ですから、愛好家が熱心に整備をしていなければこうはなりません。それだけ車好きを惹きつける魅力をチャイカが持っている、ということではないでしょうか。



さて、初代チャイカのお話はここまでです。次回は2代目チャイカのお話をいたしましょう。

今回もありがとナス!


ちゅうさま


【Gallery】

1959-81 GAZ Chaika [1st M13] (モスクワ交通博物館にて)

この個体はフェンダーミラーが付いている初期型のもの。よく見るとGAZのエンブレムもない。

政府高官用の車に白というボディカラーはちょっと違うように思えるが、「カモメ」という車名の由来を考えると、むしろ白の方が似合っている気もする。

1959-81 GAZ Chaika [1st M13] (モスクワ交通博物館にて)

こちらは、ドアミラーに加えて、カモメエンブレムがない新しい年式の個体。

モスクワ交通博物館には、計5台のチャイカが収蔵されている。生産年数が長かったこともあり、多くの個体が現存しているようだ。

1959-81 GAZ Chaika [1st M13] (ヴォルゴグラードにて)

流石にこのクラスのリムジンともなると、田舎町にいると違和感を覚える(失礼)。

ナンバーの「177」はモスクワの地域表示なので、イベントのために出張してきたのかもしれない。

1961-62 GAZ Chaika Faeton [1st M13] (モスクワ交通博物館にて)

1年限定の希少モデルまでコレクションしているとは、玉も竿もでけえなお前(褒めて伸ばす)。

1961-62 GAZ Chaika Faeton [1st M13] (モスクワ交通博物館にて)

オープンカーの最も艶かしい姿は、幌を立てている状態のときだと思う。

ほら、普段見られない姿に興奮するみたいな…。


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