【共産車探訪 Vol.7】GAZ ヴォルガ④

こんにちは、ちゅうさまです。


夏コミに出す予定の写真集、着々と編集が進んでおります。もう少しで表紙くらいは公開できるかな?


さて、今回の記事は ”GAZヴォルガ” の第4回なのですが、まずはここで写真を一枚。

サンクトペテルブルクの「血の上の救世主教会」です。すごい名前ですね。外装・内装も名前に劣らず、非常に趣味が悪い麗々しいつくりとなっています。


え?なんでこの写真を最初に持ってきたかって?

サムネのためです。


気を取り直して、本編いってみよう!ウォォ↑ーーーホホホォウ!ウォウ!



さて、前回は2代目ヴォルガの中期型、310231029をご紹介しましたね。


3102はその後、着実な需要(官公庁からかな?)があったようで、2008年までロシアで生産され、さらにウクライナで2010年まで生産が続けられました。


ところが、31029あまりにボロすぎて、タクシー業界からも不満が噴出し、売り上げも伸び悩んでいました。ソ連が倒れて市場が開放されましたから、質のいいドイツ車に顧客を取られてしまうことも多かったようです。


そこで31029の生産は1997年で打ち切られ、急遽新型モデル「ヴォルガ 3110」が発表されます。

1997-04 GAZ Volga [2nd 3110] (モスクワにて)


だっさ。

そう!この写真をこの記事のサムネにしたくなかったんです!

なんですかねこの突っ込みどころしかないカスタムは…。親父とケンカした息子が嫌がらせにガムテープを貼ったとしか思えません。


…まあそれはともかく、3110はどんな点が改良されたのでしょうか?


まずはエクステリアから。

写真の車はちょっとアレですが、31029に比べると格段に現代的になりました。基本デザインは踏襲していますが、見事に1990年代の流行に乗っかったというところでしょうか。

バンパーにはクロームのフィニッシュも付いており、そこそこの豪華感も見て取れます。


写真ではよくわかりませんが、内装も大幅な進化を遂げました。

31029では黒いプラスチック1色の仕上げしかありませんでしたが、3110からは内装色も選べるようになりました。

また、エアコンも最新式(といってもロシアの)がオプションに追加されました。


さらに、運転席にはエアバッグまで搭載されました。

ロシア車に!エアバッグ!!

3穴ホイールなどをつけていた31029の時代では考えられない安全装備ですね。



こうしてGAZはなんとか危機を乗り切ったのですが、開発陣には「そろそろモデルチェンジしないと本格的にヤバイ」という焦りが見え始めました。



そこで1998年にプラットフォームから新開発した3代目ヴォルガ3111が発売……と言いたいところなのですが、商業的大失敗をキメてしまい、総生産台数が1000台にも満たない超絶レア車になってしまいました。

あまりにレアすぎて「3代目」ではなく「限定モデル」として扱う書籍もあるほどです。

(いずれ写真を撮ったら別に記事を書きますね!)



かくして3111は大失敗に終わりましたが、開発陣にとってデザインは渾身のものだったようです。

それを再利用すべく(?)、GAZは2004年のマイナーチェンジで「3111の顔を3110に埋め込む」フェイスリフトを敢行します。

2004-06 GAZ Volga [2nd 31105] (サンクトペテルブルクにて)


3110までの四角いライトは脱ぎ捨て、楕円形の新型ヘッドライトが与えられました。

はっきり言って不自然ですが、見た目はずいぶんとお茶目になった印象ですね。

なんだかマトリョシカの目と少し似ている気もします。「ロシア車っぽいな」と思ってしまうのは、そのせいかもしれません。


(やっぱりデザインがマズかったんじゃないかなあ…)


エンジンは、3102のころからの2.3L直4モデルを使いまわしていましたが、2006年にGAZがクライスラーと提携を結んだことで、新たにクライスラー製のエンジンを搭載したものも生産されました。

2007-09 GAZ Volga [2nd 31105] (カザンにて)


2007年にはフェイスリフトが行われ、グリルが変更されました。上に貼った銀色の2004年モデルは縦格子のグリルですが、2007年モデルは横の格子も加えられました。



2008年、ヴォルガは念願の3代目へとモデルチェンジを果たします。

2008-10 GAZ Volga Siber (モスクワにて)


名前は「ヴォルガ・サイベル」。「Siber」は「サイバー」とも読めそうですが、ロシア名が「Сайбер」となっているので「サイベル」が正しいと思われます。

(正確に発音すれば「サイビェル」とかになるかもしれないけど…)


「ん?この車どっかで見たぞ?」

そう思われたそこのあなた、鋭い!


実はこのクルマ、クライスラー セブリングの姉妹車なんです。


まあ姉妹車と言ってもこのモデルのセブリングの生産は2006年に終了していますから、「自社で新型モデルを開発する余力のないGAZがクライスラーからプラットフォームをもらってきた」というのが正直なところでしょう。


ヴォルガ・サイベルの生産のためだけに新しい工場が建設され、生産ユニットもアメリカから輸入されました。


まあなんにせよ、32年ぶりのフルモデルチェンジです。

満を持して市場に投入され大人気になる………予定でしたが……予定だったんですが………


世界金融危機到来

なんということでしょう!ロシアにもその波は押し寄せ、新型車の需要はみるみるしぼんでしまいました。


結局ヴォルガ・サイベルの販売は不調に終わり、3年間に生産されたのはたったの9000台だけでした。そのほとんどが政府職員向けであったといいます。


当然GAZが被った損害は大きく、2010年以降ヴォルガが復活することはありませんでした。

悲しいなあ。



さて、4回続いたヴォルガも今回でおしまいです。限定モデルなどはいずれ別記事でだしていこうと思っています。

次回は、GAZ ポビェーダあたりをやろうかな。


ちゅうさま(2017/06/16)


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