【共産車探訪 Vol.3】 VAZ ジグリ ③

どうも、更新頻度が高すぎて、早くもネタ切れが近いのではないかと心配になってきたちゅうさまです。


今回のテーマもジグリです。残念ながらまだ続きます。

さて、前回前々回の記事では、ソビエトのボロ車大衆車の代表格たる、ジグリ(Жигули)について語ってきました。


今回は、2101や2105と違う「ちょっと高級なジグリ」のお話です。


ソ連はご存知の通り、共産主義国だったワケです。でも、ソビエトの中でも比較的高給取りの仕事は存在するもので、そういったホワイトカラーの労働者はこう考えるのです。「人よりいい車に乗りたい」と。


そのような需要にこたえるべく、1972年にVAZはジグリ2101の高級版である「ジグリ 2103」を世に送り出します。

それではまず写真をどうぞ。

…………え?なんか違う?


ごめんなさい、これは2103のニセモノです。ロシア滞在中に2103を見つけられず、唯一撮れたそれっぽい写真がこれだけだったんです!許してください!オナシャス!センセンシャル!


写真のクルマは、後述の2106のグリルを2103のものに取り換えた個体です。あとミラーとバンパーも取り換えれば、見た目は完全に2103なので、雰囲気だけはなんとなく感じ取ってもらえるのではないでしょうか。


話を戻しましょう。

2101の中身が”フィアット124”であるという話は、以前したかと思います。そして、そのフィアット124には、「124 スペシャル」という上級グレードが存在していました。

その「フィアット 124スペシャル」こそが、2103の原型となるわけです。


さて、標準の2101とデラックスバージョンの2103では何が違うのでしょうか?


外見上の最も明確な相違点は、ヘッドライトでしょう。2101は丸目の2灯でしたが、2103は4灯が装備されています。それに伴って、グリルの形状も変更されています。


また、左右のドア上部に金属製のモールも追加されています。写真の車は、右前のフェンダーを破損しているためにモールも落ちてしまっていますが、本当は、前輪のフェンダーから後ろまで繋がっています。


エクステリアの相違は、一目瞭然ですね。


では、中身はどう違うのでしょう?


まず内燃機関ですが、2103には、1.5Lの専用エンジンが用意されました。このエンジンは評判がよく、前回の記事で書いたマイナーチェンジ後も使われていきます。


インテリアに関しても、2101より高級な素材が使用され、防音設備も備わっていたようです。また、タコメーターも標準装備となりました。(2101にはついてなかったんですね…)


この車は、ソ連のホワイトカラーの他、輸出用としても人気を博しました。


そんなジグリ2103ですが、1979年の2105の発表に先立ち、1975年に改良(?)型の発表がなされます。それが、先ほどちょこっと触れた「ジグリ 2106」です。

Zhiguli 2106 (カザンにて)


2101→2105の進化が、簡素化をテーマとしていたように、2103→2106進化においても、簡素化が図られました。そんなんだから退化とか言われるんだよなあ


金属製のグリルは樹脂製となり、バンパーも樹脂製の大型のものとなりました。


リアビューも見ておきましょう。

Zhiguli 2106 (サンクトペテルブルクにて)


テールランプには、2105と同じくクソデカテールランプくんが採用されています。

リアにおける2105との相違点は、テールランプとナンバーを囲む金属のモールくらいでしょうか。この辺の特徴は、2103から受け継いだものです。


見た目は安っぽくなりましたが、エンジンは1.6Lのものが採用され、走りの質は格段に向上したようです。

その甲斐あって、2106も1975年から2005年までの、30年間の長きにわたって生産が続けられました。


一方その頃、本家のフィアットでは、124スペシャルの後継として「フィアット 125」が誕生していたのであった…。

これはソビエトに持ち込まれることはありませんでした。悲しいなあ。



さて、先ほどお話ししたように、ボロ車といえども、2103と2106はホワイトカラー向けの上級車種でした。つまり一般庶民にとっては、チョットお高いクルマだったのです。


そこで、生産会社のVAZは、1982年に2105と2106の間を埋めるグレード、「ジグリ 2107」を発表します。

Zhiguli 2107 (モスクワにて)


2107は、標準グレードである2105をベースとした上位車種として位置づけられました。つまり、2103を祖先とする2106とは違い、2107の直接の祖先は2101ということになります。


ややこしいですが、「2106>2107>2105」というラインナップ構成になったわけです。


外見上の特徴は、なんといっても大型化したフロントグリルでしょう。というか、それ以外には2105との見た目の違いはありません。


エンジンは、2103のものと同じ1.5Lのものが採用されました。この辺で2106との差別化が図られているのですね。(オプションで2106の1.6Lエンジンを搭載したモデルもありましたが…)


Zhiguli 2107 (カザンにて)


リアビューは、エンブレムに「2107」と書いてある以外には、2105との差異はありません。

Zhiguli 2107 (サンクトペテルブルクにて)


サイドも、2105との差異はありません。ホイールベースも同じです。


度々ジグリのことをボロ車扱いしてきましたが、こうしてみると、車としての基本を押さえたシンプルで美しい形ですよね。これほどバランスが綺麗にとれている車は、センチュリーとコンフォートくらいしか他にないと私は思います。


いいなー、かっこいいなー。

いつか絶対乗ってやる



…さて、3回続いたジグリも、今回でオシマイです。次回の共産車探訪は、とりあえずVAZを片付けてしまうか、GAZチャイカあたりの特集をする予定です。お楽しみに!


写真を使いつくしてしまったため、今回はギャラリーはありません。

ご読了ありがとうございました。


ちゅうさま(2107/05/28)



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